NOUVELLES VAGUES その12014/08/17 16:56


NOUVELLS VAGUES Cover

最初に買ったムーンラダーズのアルバム
高校2年生でした
ムーンラダーズ3枚目のアルバム
1978年発売(購入は1979年)
1978年に世間で起きていたことはあまり覚えていないが
確認してみるとキャンディーズ解散があった。
ということはピンクレディがヒットを連発していたそんな頃だろう。
そうそう、YMOスタートの年でした。

ムーライダーズとしては前作Istanbul mamboの無国籍サウンド風から
世界の音楽シーンで流行しつつあったニューウーブ風な作品となっている。

私のムーンラダーズヒストリーはここから始まる。

1,2枚目のアルバムはかなり後になって購入して聴いているので、意識としては先の2枚はさかのぼっている感覚である。

ムーンライダーズは毎回アルバムの雰囲気が全く変わってファンを裏切ってきたと言われているが
前作Istanbul mamboまでは、
まだ蜂蜜パイ(鈴木慶一、武川雅寛、橿渕哲郎、岡田徹参加していたバンド)
からの流れを感じるが
このNOUVELES VAGUESの時が一番方向が変化した作品ではないだろうか。
(5年ブランクがあった晩餐は別にして)

前作から1年しか経ってないのに。

NOUVELLES VAGUESを最初に聴いたせいか、

次作モダンミュージックも実は違和感が全くなかった。

それまで海外の音楽には斬新なものを多く感じていて、日本の音楽に斬新さを感じたことはあまりなかったが、

こんな斬新なんものをつくる人たちがいたのか、音楽人生最大の出会いだった。

アルバムタイトル
「NOUVELLES VAGUES」
誰にでも使えるものでないことを知ったのは後からのこと。
当時まだヌーベルバーク」の映画をみたことがなかった。

このアルバムタイトルのおかげで
「ヌーベルバーク」の映画観ました。
ゴダール「勝手にしあがれ」「気違いピエロ」
トリュフォー「大人は判ってくれない」
ルイ・マル「鬼火」「地下鉄のザジ」
アラン・レネ「二十四時間の情事」「去年マリエンバートで」
・・・・・
観てから思うことは、このアルバム
まさに「ヌーベルバーク」の映画を観ているような
聴いていて映画のシーンが浮かんでくる。

最後のトラベシアの歌詞のように

遥か遠い国に船出する新しい音楽がスタートした

非常に重要なアルバムです。


NOUVELLES VAGUES Inner

青空百景2014/05/02 18:18

青空百景

「マニア・マニエラ」の発売中止が決まったのが1982/2。

で、何と翌月1982/3(~6)には次のレコーディングが始まり

1982/9に発売されたのが「青空百景」。


マニア・マニエラとは180度雰囲気が異なる作品が出来上がった。

そしてこの「青空百景」も傑作となった。

マニア・マニエラと異なり曲はポップで聴きやすいのだが

マニア・マニエラと同様に凝ったサウンドと

わかりやすそうで、わからない十分屈折した歌詞。


ビートルズのサージェント・ペッパーの後のホワイトアルバムに

少し似てないこともないが

ホワイトアルバムはメンバーがそれぞれ自由に作っている感じがするが青空百景はちょっと違うような気がする。

ポップな曲が多いがよく聴くとマニラ・マニエラと同じように非常に緻密に作られている。



文句なく全曲好きです。

名曲「青空のマリー」「くれない埠頭」は当然として


「O・K, パ・ドゥ・ドゥ」


これがくせものでした。

なんだかよくわからないが、不思議な軽さが心をとらえて、

繰り返し歌ってしまう。


ソープ・オペラの恋はO・K, パ・ドゥ・ドゥ


この歌いだし、全くわからない、このわからなさがとても気持ちがよかった。

ああ、わからなくていいよね。という感じ。


曲は、なんと前半が慶一さん、真ん中がかしぶちさん、

そして後半岡田さんの合作。

3人の合作はめずらしい。

歌詞はかしぶちさん、かしぶちさんの合作はめずらしい。


ライブは事情で行けなかった。

FMでライブのオンエアがあった。

レコード買えずに(お金がない)この録音テープを繰り返し聞いていた。

マニア・マニエラはまだ発売されてないので、こっちを先に聴いてしまった。

(青空百景の前にマニア・マニエラの放送があったらしいのだが聞き逃している)

このときのライブは最近になってCD化された。

最近といってももう数年経ってしまったが。

アルバムの曲順が頭の中で放送(ライブ)の時のままだ。


1982は自分は19歳だった。

この「青空百景」と「マニア・マニエラ」で

自分の中でムーンライダーズは不動のNo.1アーティストになった。



かしぶちさんのこと22014/02/24 01:37

かしぶちさんドラム1980
大切なことを言い忘れた。

かしぶちさんといえばまず数々の名曲が浮かぶが、

同時に最高のドラマーだったこと。

ムーンラダーズのドラマーとして最高でした。

私が好きだったのは、テクノ、ニューウエーブのころのドラミング

テクノは好きだが打ち込み(リズムマシーン)はどうも好きになれなかった。

テクノ、ニューウエーブは打ち込みが多かったせいか、好きなドラマーが少ない。

私はかしぶちさん以外では

ハルメンズ、ヤプーズの泉水敏郎、

カーネーションの矢部浩志の2人が好きでした。

曲によくマッチして切れのある、そして味わい深いリズムが素晴らしかったです。

写真は大島弓子「綿の国星」のレコーディング中のもの。

レコード発売時にたしか西武デパートで「綿の国星」のフェアをやっていて

そのときにパネル展示していたものを撮影したものです。

かしぶちさんのこと2014/02/19 16:46

それはなにげなく目にした新聞の訃報欄からだった。
かしぶち 哲郎さん
12/17死去、63歳
後日お別れの会を開く予定。
ロックバンド「ムーンラダーズ」のドラマーとして活躍したほか、
「釣りバカ日誌」シリーズなど多くの映画音楽の作曲を手がけた。
と書かれていた。

そのお別れの会が大雪となった2/8南青山で開かれました。
雪の影響で1時間遅れで会場になんとかたどり着いて
用意されていた赤い薔薇を献花させていただきました。

お別れの会


ムーンラダーズを聴き始めた頃は、
誰がどの曲を作っているというのはあまり意識していませんでした。

しかし、そのうちどうも趣が少しだけ異なるような曲がアルバムに数曲あることが気になりだしました。

「砂丘」
リアルタイムには聴いてません。
記憶は曖昧ですが、
「青空百景」より後にアルバム「MOONRIDERS」を購入して聴いたと思います。

ムーンラダーズてロックバンドだよね。この曲はなに?
昔から聴いていた人には違和感ないのかもしれませんが、
ほかにも違和感ありの曲結構ありますが、
この曲は誰が作った曲、ロックバンドが作った曲とか以前に衝撃的でした。

ー以下歌詞抜粋ー
僕はいつも
砂を握りしめて
倒れている

「マニア・マニエラ」には「スカーレットの誓い」
「アマチュアアカデミー」には「D/P」
気にしてみると自分がこれはと思う曲はかなりの高い確率でかしぶちさんでした。

こんなドラマーほかのバンドではいないでしょう?
ムーンラダーズファンとしていつも自慢でした。

訃報の少しまえから、なぜか「気球と通信」が口からでて気がつくと歌っていて
今度コードとってみようかなと思っていたところでした。

ー以下歌詞抜粋ー
「気球と通信」
ボクヲヒトリニシナイデホシイ
C                G       C
晴れた空から ガラスの気球
C       Dm
光を浴びて はかなく こわれた
C                Am7            Dm7
何度も 通信 していたらしい
G7        C        Am7        Dm7
ぼくは知らなかった
G7  FM7
(コードはオリジナルではありません、念のため)

ファンから寄せられたメッセージを集めて
お別れの会、会場で販売された
かしぶち哲郎メモリアルBOOK
に応募期間逃してメッセージ送れませんでした。


かしぶちさんへ

素晴らしい曲と、素晴らしいドラミングとありがとうございました。

これからも
地上に通信しづづけて下さい。
コレカライツモキニシテイます。

飾られていた写真

マニア・マニエラ22014/01/26 17:43


CD_Cover_back1
昨年はなにかにや忙しく気がつくと1年が過ぎてしまった。
年末、橿渕さんの訃報に
まだ心を落ち着かせることができないでいます。
(橿渕さん:ムーライダーズドラマー)
私のかしぶちさん度は結構高く
ムーンラダーズ1/6以上のものがあります。
最近ではなぜか「気球と通信」(作詞作曲橿渕哲郎)
をよく口ずさんでました。

アップテンポの始めの3曲
1「Kのトランク」
2「花咲く乙女よ穴を掘れ」
3「檸檬の季節」
1,3の作詞が佐藤奈々子が素晴らしい。
2の作詞は糸井重里。

の後の4曲目
「Kのトランク」からもう別世界だが
次のこの「気球と通信」から
さらに異次元に引き込まれました。
5曲目はもっと実験的な白井良明の「バースデイ」。
LPだとここでA面終了。(LPは持ってない)

6は
お経ではじまる「工場と微笑」。
このお経が発売延期の原因とは当時どこかで聴いた話。
鈴木博文作詞作曲

7「ばらと廃物」は作詞鈴木博文、作曲は岡田徹
8が名曲「滑車と振り子」これも作詞作曲鈴木博文。
鈴木博文:通称フーちゃんの作詞が3曲。

9「温和な労働者と便利な発電所」
はまた実験的な曲。
曲のタイトルをみても、工場とか廃物とか労働者、発電所
とか普通使わない。

裏ジャケットはモップを持って写っている。
マルクス主義がロシアンアバンギャルドがテーマかのような
ロックミュージック。それも当時最新のテクノロジー駆使して
少なくともサウンドは全くノスタルジーを感じさせない。

薔薇のジャケットのCDは再発時には変わってしまって
入手不能と思っていたが、
よく見たら、コンプリートボックス1982-1992には
薔薇のジャケットで入ってました。

ラスト10がムーライダーズ定番ともなる、
「スカーレットの誓い」
作詞作曲橿渕哲郎。
歌詞の抜粋
次のリボリューション
誓いはスカーレット
さまよう愛はレベンダー
・・・・
百億の謎を解いて
青春のエンブレム
・・・・
薔薇がなっくちゃ生きていけない
・・・・

誰もこんな詩を書くことはできない。
橿渕さんのご冥福をお祈りして
合掌。
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