一千一秒物語・稲垣足穂2011/11/03 17:42

一千一秒物語
私のベスト作家、文筆家は澁澤氏であるが2番目は稲垣足穂である。澁澤氏も高く評価と云うか、数少ない尊敬する作家として書かれている。しかし、知ったのは澁澤氏の書かれたものからではなく、あがた森魚のレコードの中に書かれていた文章だったことは覚えているが、どのレコードに書かれていたかはもう覚えていない。
最初に読んだのは「一千一秒物語」新潮文庫であった。
すぐに夢中になったのは云うまでもない。
「流星と格闘した話」
「お月様とけんかした話」
など星や月の摩訶不思議なショートショートがちりばめられ、満たされることこの上なかった。
そして、この50ページあまりの「一千一秒物語」の後半初めぐらいに、「THE MOONRIDERS」が登場するのである。
「月が高く昇った刻限、どこからともなく白い仮面の騎士隊があらわれ 音もなく街を駆けて又月影のさゆらぎの中へ消え失せてしまう・・・・・」

のちに、あがた森魚の「永遠の遠国」(3枚組レコード復刻版おもちゃ付き)に「スターカッスル星の夜の爆発」の歌詞に
稲垣足穂「星澄む郷」よりとあり
これは、曲を聴けば、稲垣足穂であることは、これを見なくてもわるくらい、そのもので、当時は「星澄む郷」は文庫では読めず、(古本屋で高額な全集を入手するしかなかった)河出文庫「ヰタ・マキニカリス I 」(昭和61年)に入ったときは、なるほど会話から抜粋してあの歌詞になったかと。
この文庫、解説が夢の遊眠社の野田秀樹であり、ああ、みんな好きなんだなーと。